小児科クリニックで働く看護師の仕事は、診療補助や予防接種、保護者対応など多岐にわたります。
本記事では、未経験からでも安心して働ける理由や、実際の業務の流れ、メリット・デメリット、さらには気になる給与・時給の相場まで詳しく解説。
転職や復職を検討している方にとって、役立つ情報が満載です。
この記事でわかること
・小児科クリニックで働く看護師の1日の業務内容と流れ
・子どもと接する仕事のやりがいや難しさ
・小児科での看護経験がなくても働ける理由
・パート・常勤の給与相場や福利厚生の実態
・小児科クリニックで働くための準備や職場選びのポイント
小児科クリニック看護師の基本業務と1日の流れ
小児科クリニック看護師の基本業務と1日の流れまでご紹介します。
受付から診療補助までの仕事
小児科クリニックで働く看護師の主な業務は、医師の診療補助です。
来院した子どもと保護者を迎え入れ、受付後にバイタルチェック(体温、脈拍、呼吸など)を行い、診察の準備を整えます。
医師の指示に従い、診察中に必要な器具の準備や子どもの体勢の補助なども担います。
また、処置後の説明や投薬の案内なども重要な仕事の一つです。
子どもは言葉での表現が難しいため、観察力や対応力が求められます。
体験談
小児科クリニックで働き始めた当初、子どもたちの反応に戸惑うことも多くありました。
特に注射や診察を嫌がって泣いてしまう子には、落ち着いた声かけが重要でした。
先輩から「子どもの目線に合わせて話すといいよ」とアドバイスを受け、少しずつ子どもたちとも信頼関係を築けるように。
今では笑顔で手を振って帰ってくれる姿にやりがいを感じています。
ワクチン接種・健康診断の対応
小児科では定期的なワクチン接種が行われており、看護師がその準備や接種後の観察を担当します。
予防接種は種類が多く、接種スケジュールや注意点を把握しておく必要があります。
さらに、乳幼児健診などでは身体計測(身長・体重・頭囲など)を行い、成長の記録をサポートする役割もあります。
体験談
予防接種の補助は特に緊張感のある業務です。
初めて担当したときは、接種スケジュールを何度も確認して準備に時間をかけました。
接種後、泣いてしまった子どもに絆創膏のキャラクターを見せて笑顔になってもらえた時は本当に嬉しかったです。
今では保護者の質問にも落ち着いて答えられるようになり、自信につながっています。
保護者とのコミュニケーションの重要性
小児科での看護業務は、子どもだけでなく保護者との信頼関係も非常に重要です。
特に初めての診療や予防接種で不安を抱える保護者が多いため、丁寧な説明と安心感を与える対応が求められます。
「どうして泣いているのか」「この症状はよくあることなのか」といった保護者の不安を和らげることで、医療現場全体の信頼感向上にもつながります。
体験談
ある日、発熱で不安そうな顔をしたお母さんが来院されました。
丁寧にバイタルを測りながら、「大丈夫ですよ、一緒に見守りますね」と声をかけたところ、お母さんが涙ぐんで「安心しました」と言ってくださったのを今でも覚えています。
小児科は、保護者の心にも寄り添うことが大切なのだと実感した出来事でした。
小児科クリニックで働くメリット・デメリット
小児科クリニックで働くメリット・デメリットについてお伝えします。
子どもと接するやりがい
小児科クリニックで働く最大の魅力は、子どもたちの笑顔に出会えることです。
回復して元気になった姿を見ると、医療に携わる喜びを強く感じられます。
成長の早い子どもたちを継続的にサポートできるのも、小児科ならではのやりがいです。
体験談
定期的に通ってくる男の子が「今日は泣かないよ!」と笑顔で来てくれたときは感動しました。
初診のときは大泣きだったのに、少しずつ慣れてくれて、今ではお絵かきを見せてくれるほど。
子どもの成長をそばで感じられることが、私の仕事の原動力になっています。

子どもが好きな方には嬉しいですね!

病院勤めをしていると「回復していく」患者さんばかりではないことがわかります。小児科クリニックは元気をもらいやすい職場ですよ。
忙しさや精神的負担の現実
一方で、小児科は急な体調変化や予測不能なトラブルも多く、常に気を抜けない現場でもあります。
子どもが泣き続けたり、親が不安で苛立っていたりすると、精神的なプレッシャーも少なくありません。
体験談
風邪が流行していた時期、1日に何十人もの患者さんが来院し、ひと息つく暇もない日が続きました。
子どもたちの泣き声と親の焦りに対応しながら、ミスなく業務をこなすのは本当に大変でした。
でも、チームで支え合いながら乗り越えたことで、現場の一体感と達成感を強く感じました。

大人は色んな科を受信するけど、子どもはまず小児科に行きますものね。忙しいわけですね。

そうですね。また子どもは回復が早い反面、悪化も早いのです。細心の注意が必要です。
勤務時間やシフトの特徴
小児科クリニックは病棟に比べて夜勤が少なく、規則的な勤務時間で働けるケースが多いです。
日勤中心で家庭との両立がしやすい点も、特に子育て中の看護師には大きなメリットになります。
体験談
前職では夜勤や残業が多く、家庭との両立に苦労していました。
小児科クリニックに転職してからは、夕方には仕事が終わるので、子どもの迎えや夕食の準備にも余裕ができました。
生活リズムが整ったことで、心にもゆとりが生まれました。

夜勤がまったくないクリニックも多いので、事前に問い合わせてみると良いですね。
未経験者が小児科で働くために必要なこと
未経験者が小児科で働けるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
実は未経験でも働ける職場はとても多いのです。
順番にご紹介します。
初心者歓迎の求人の探し方
小児科未経験でも歓迎される職場は多く、特に地域密着型のクリニックでは、人物重視で採用されるケースが目立ちます。
ハローワークや看護師専門の転職サイトで「未経験可」や「ブランクOK」と記載された求人を探すのが効果的です。
体験談
転職サイトで「小児科・未経験OK」と絞って探したところ、複数のクリニックに出会えました。
見学に行った先で院長先生が「人柄重視です」と言ってくださり、不安が一気に吹き飛びました。
未経験でもチャレンジできる環境は意外と多いのだと実感しました。
実務経験が浅くても通用する理由
小児科では、技術よりもコミュニケーション能力が重視される場面が多く、実務経験が浅くても丁寧に対応できれば十分に活躍できます。
子ども好き、優しく寄り添える姿勢など、個人の特性が強みになります。
体験談
私自身、ブランクがあり小児科も初めてで緊張の連続でした。
でも、先輩看護師が「子どもに優しく接する姿勢があれば、技術はあとからついてくるよ」と言ってくれたのが励みになりました。
実際、経験よりも気持ちが伝わることの方が大事だと日々感じています。

基本的に、症状の重い子どもたちは、クリニックではなく、対応できる病院で担当します。働き始める職場としてクリニックは適しているとも言えますね。
採血が苦手でも大丈夫?
小児科では採血が必要な場面もありますが、頻度はそれほど高くありません。
注射を嫌がる子どもに対応するスキルや、補助業務も重要です。
苦手意識がある場合でも、先輩のフォローや練習の機会を通して少しずつ克服できます。
体験談
採血に苦手意識があり、小児科でやっていけるか不安でした。
でも先輩がいつも隣でサポートしてくれて、まずは「押さえる係」から始めたことで少しずつ慣れていきました。
今では一人で対応できる場面も増え、自信を持てるようになっています。

採血が苦手な方は案外多いですもんね。

少しずつ練習して行けばきっと身になります。とはいえ、小児科クリニックの場合、採血の機会は多くないので、経験しないままお仕事されている方も少なくないようですよ。
学びながら成長できる職場環境
小児科クリニックではOJT(実地研修)やマニュアルが整備されている職場も多く、未経験でもスムーズに業務を覚えられます。
また、定期的な勉強会や院内研修があるところもあり、スキルアップの機会も豊富です。
体験談
入職してすぐの頃は何もわからず不安でいっぱいでしたが、先輩が業務の流れを丁寧に教えてくれたおかげで、1か月ほどで基本的な業務がこなせるようになりました。
週に一度のミーティングでは、子どもへの対応方法を学べるのがありがたいです。

勉強会とか研修はスキルアップにありがたいですが、これは給料や時給に換算されるんですか?

勉強会や研修があるのはどちらかというと大きな病院や大きなクリニックですね。院長の指針にもよります。
参加が任意の場合はほぼほぼ自分の時間を使っての勉強となるので、時給に換算されるところは多くないようです。
もちろん勤務時間に組み込んでくれるところもあります。

小さな子供がいたり、預ける場所がない方には、時間外の出席は厳しい気もしますが…。

お子さんがいることを伝えて、先に勉強会があるのか、日程はどうなのかなどの確認をしておくと良いですよ。
小児科クリニックはお子さんのいる職員が多いので、理解されやすいとは思います。
小児科クリニック看護師の給料|年収・時給は?
小児科クリニック看護師の給料|年収・時給はどうなのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
※看護師の全国平均のデータについては、厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」に詳しく掲載されています。
(参考:厚生労働省「看護師の平均賃金統計」)
アルバイト・パートの時給相場
小児科クリニックのパート看護師の時給は、地域やクリニックの規模によって異なりますが、平均的には1,500〜2,000円前後が相場です。
都市部では時給2,200円以上の求人も見られる一方、地方では1,400円台のこともあります。
体験談
私は都内の小児科クリニックでパート勤務をしていますが、時給は1,800円スタートでした。
交通費全額支給に加えて、昇給もあるとのことで、長く働きやすい環境だと感じています。
子どもとの触れ合いが楽しく、金額以上のやりがいがあります。
常勤看護師の月給・年収
常勤の看護師になると、月給25万〜30万円程度が一般的で、年収に換算すると約350万円〜500万円が相場です。
(参考:マイナビ看護師「小児科看護師の平均年収と仕事内容」)
これに加えて賞与(年2回)や職務手当がつく職場もあります。
ただし、夜勤がない分、病棟勤務に比べるとやや控えめな水準となることが多いです。
体験談
小児科クリニックで常勤として働いていますが、基本給27万円に加え、年2回のボーナスも支給されています。
年収でいうと約400万円ほどになります。
夜勤がない分、体力的には楽で、プライベートとの両立がしやすいのが魅力です。

女性の仕事では「高給取り」と呼ばれている看護師ですが、こうして比べてみると、夜勤手当がどれほど高いかがよく分かりますね。
福利厚生や各種手当の実態
小児科クリニックでは、社会保険や厚生年金、交通費支給はもちろん、制服貸与や定期健康診断などの福利厚生が整っている職場も多いです。
また、子育て中の看護師に配慮した時短勤務制度を導入している施設もあります。
体験談
私の勤務先では、時短勤務が可能で保育園の送迎と両立できています。
さらに、子どもが病気のときは看護休暇を取れる制度もあって、安心して働ける環境です。
福利厚生がしっかりしている職場を選んで本当に良かったと思います。

子育て中看護師には、時短勤務制度や看護休暇はとてもありがたいシステムですよ。
\時短勤務OKの職場の記事はこちら!/

小児科クリニック勤務に関するQ&A
小児科クリニック勤務に関するよくある質問についてお答えします。
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小児科クリニックで働く第一歩を踏み出そう!
それでは小児科クリニックで働く準備をしてみましょう。
応募前には、自分が小児科でどのように貢献できるかを整理しておきましょう。
これまでの経験を小児科にどう活かせるか、子どもや保護者との関わり方についての意識を明確にすると、面接での印象も良くなります。
履歴書や職務経歴書では、コミュニケーション力やチームワークの経験も強調すると効果的です。
体験談
私は応募前に、自分の経験を整理し「子どもと接するのが好き」という想いを面接でしっかり伝えました。
特に保育園勤務の経験があることをアピールしたところ、子どもとの関わりに期待されて採用につながりました。
事前の準備が大事だと感じました。
面接でのアピールポイント
面接では、技術力以上に「子どもへの接し方」や「保護者との対応力」が見られます。
実際の経験が少なくても、「子どもが好き」「学ぶ意欲がある」などの前向きな姿勢を伝えることが重要です。
笑顔や落ち着いた態度も高評価につながります。
体験談
小児科未経験だったので不安でしたが、「子どもに関わる仕事がしたくて小児科を希望した」という思いを面接でしっかり伝えました。
面接官から「気持ちが伝わってきた」と言われて、その場で内定をもらえたのはとても嬉しかったです。
自分に合った職場の見つけ方
自分に合ったクリニックを見つけるには、勤務時間、通勤距離、雰囲気など、優先したい条件を明確にすることが大切です。
可能であれば職場見学を行い、実際の雰囲気や働く人の表情を確認しましょう。
転職エージェントを利用するのも一つの手です。
体験談
家から近く、子どもに優しい対応をしているクリニックを希望していたため、転職エージェントに相談して条件を絞って探しました。
実際に見学して「ここなら自分に合っていそう」と感じた職場で働けることになり、毎日快適に過ごせています。
まとめ
小児科クリニックで働く看護師は、子どもたちの成長をそばで見守りながら、保護者の不安を支えるという大切な役割を担っています。
未経験からでもスタートできる環境が整っており、実務経験に不安がある方でも、学びながら成長できるチャンスがたくさんあります。
勤務形態も日勤が中心で、家庭との両立を図りやすいのも魅力の一つ。
給与や福利厚生についても、安定した職場が多く、長く安心して働ける条件が揃っています。
これまで病棟勤務しか経験がない方や、ブランクがある方でも、小児科クリニックは新しいキャリアのスタートにぴったりの場所です。
子どもたちの笑顔に囲まれながら、自分らしく働ける環境を見つけてみませんか?
まずは、気になる求人をチェックして、一歩踏み出してみましょう。
あなたの「子どもが好き」という気持ちが、きっと素敵な未来を切り開いてくれます。